愛の成長モデル・・・・・あなたの愛はどの段階?
心理学の三大巨匠であり精神分析学者のフロイトには、「愛の成長モデル」という考え方があります。これは、自立した「個」の確立を目指す自我心理学に基づいた理論です。
フロイトのモデルでは、愛の発達は次のように進むとされています。
- 自体愛:赤ちゃんが自分の手や指をしゃぶるなど、自分自身に興味を持ち、それに満足する段階。
- 自己愛:幼児期には、他人の視線を気にせず、自分を最優先に考え、自分が世界の中心であるかのように振る舞う。
- 対象愛:成長とともに他者への関心が生まれ、他人を献身的に愛することができるようになる。
しかし、フロイトの後に登場した精神分析学者コフートは、この「対象愛」という概念に異論を唱えました。
コフートは「自己心理学」を主導し、愛の成長を次のように考えました。
- 自体愛:自分自身を満たすことが最優先の段階。
- 未熟な自己愛:自分だけを愛し、他人に対する配慮が乏しい状態。
- 成熟した自己愛:他者との関わりの中で自分自身を愛し、愛されることで満たされる。いわゆる「ギブ&テイク」の関係。
この考え方は、親の愛情にも当てはまります。例えば、「母親の生まれたばかりの子どもへの愛は純粋なものだ」と思う人は多いでしょう。確かに、出産直後の母親にとって、赤ちゃんは世界のすべてになります。しかし、この状態は永続するものではなく、通常は生後数週間で変化していきます。
イギリスの精神分析学者ウィニコットは、この生後間もない時期の母親の状態を「母性の原初的没頭」と名付けました。この時期の母親は、赤ちゃんに対して完全に献身し、まるで自分の存在を忘れるかのように赤ちゃんの世話をします。これは一種の「異常心理」とも言えますが、赤ちゃんが外の世界で生き延びるためには必要不可欠なものです。
しかし、この「没頭状態」が長く続くと、母親の精神的なバランスが崩れてしまいます。産後数週間が経ち、母親に少し余裕が生まれると、育児の中で「手を抜く」ことができるようになります。これは決して悪いことではなく、むしろ健康的な親子関係を築く上で重要です。
親の自己肯定感と子育てのバランス
「子どものために尽くすのが親の役目」と思い込んでしまうと、親自身が疲弊し、自己肯定感が下がってしまいます。「こんなに頑張っているのに、子どもが思うように育たない」と感じることが増え、焦りや不安が募ることもあるでしょう。
しかし、子どもがどんなに愛されても、いつもニコニコと機嫌よく過ごしてくれるとは限りません。赤ちゃんの夜泣きやイヤイヤ期、思春期の反抗など、親の努力がすぐに報われない場面は多々あります。それでも、子どもの笑顔や「ママ、パパ大好き」という一言だけで、親の心は満たされることもあります。
ここで重要なのは、「親もまた自己愛を持つべき存在である」ということです。「子どもを愛する=自分を犠牲にする」ではなく、「自分を大切にしながら子どもと向き合う」ことが理想的な育児の形と言えます。

赤ちゃんを一生懸命愛しても、不機嫌な顔ばかりされていたら、親の自己愛は満たされず、腹が立ってきます。
でも「子供に尽くせない自分は駄目な母親だ」などと悩む必要はありません。
「完璧な親」である必要はない
「子どもに尽くせない自分はダメな親だ」と悩む必要はありません。むしろ、「親自身の自己肯定感」が高いほど、子どもも安定した自己愛を育むことができます。
ウィニコットは、「子どもにとって完璧な母親(親)である必要はなく、『ほどよく良い親(Good Enough Mother)』であれば十分だ」と提唱しました。親が適度に手を抜き、余裕を持つことで、子どもも親に依存しすぎず、自分で考え、成長する力を身につけるのです。
逆に、「私は親としてもっと頑張らなければ」とストレスを抱えすぎると、その緊張感が子どもにも伝わります。親がイライラしたり、不安定な気持ちを抱えていたりすると、子どもも落ち着かなくなり、不安やストレスを感じやすくなってしまいます。
親の自己愛のバランスを考える
育児の中で、親自身の「自己愛」はどの段階にあるでしょうか?
- 自体愛:「子どもよりも自分が優先」になりすぎていないか?
- 未熟な自己愛:「自分ばかりが犠牲になっている」と感じていないか?
- 成熟した自己愛:「子どもを愛し、愛されることで自分も満たされている」と感じられているか?
「成熟した自己愛」を育てるためには、「自分自身を大切にすること」も大切です。完璧を求めず、ときにはパートナーや周囲に頼ること、気分転換をすることも必要です。
もし、近くに子育てに悩んでいるお母さんやお父さんがいたら、「あなたが幸せでいることが、子どものためにもなるんだよ」と伝えてあげてください。親が自分を肯定できることこそが、子どもの自己肯定感を育む第一歩になるのです。
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☆・・・気まぐれエッセー・・・☆
先日、冷凍のAbaloneを煮つけました。
パッケージにはAbaloneとなっていましたが、アワビに似ているけど少々小ぶりな「トコブシ」をアワビと称しているのかな…という方向に好奇心が動きました。
食品業界のパッケージの表示の不正は後を絶ちませんから、、、、ネ。(・―・)
トコブシの存在を知ったのは20代の後半でした。
知り合いの故郷である紀伊半島の小さな漁師町を訪れました。
そこで初めて「トコブシ」なるものをいただきました。
とても美味しかった。!(^^)!
なにしろ、信州の高原で育った私には、大学からは東京住まいといっても、とれたての魚介類を食べる事の出来る漁師町には縁がありませんでしたから、、、。
その町は全ての魚介類がものすごくおいしくて感激でした。o(^o^)o
堪能はさせていただきましたが、20代の私には、トコブシはアワビの子供とか、大きさの違いで出世魚のように呼び方が変わるのだという勝手な理解で終わりました。(^∧^)
実際、学名はSulculus diversicolor supertextaという立派な名前がありますが、英語名はsmall abaloneです。ヽ( ̄▽ ̄)ノ
今回あらためてネットで検索すると、トコブシは7cmほどで成長が止まりますが、アワビは20㎝位までにも成長することが分かりました。
でも貝殻には大きさ以外の明らかな違いがあります。
アワビは殻に空いた穴が突起状に上に延びるのですが、トコブシは殻には突起がなく平らです。

アワビは殻に空いた穴が突起状に上に延び、数は2~6個。トコブシは殻に突起がなく穴の数は6~9個です。
ということで、今回私が調理した貝は小ぶりのアワビでした。ト♪(*'-^)-☆
パッケージの表示に嘘がなく良かったです。(^_^)V
ラベルの表示のウソがニュースになることが多発するので、自分で嘘か本当かを確認する癖がつきました。
そのおかげで冷凍アワビに関する新しい情報を得ることができました。
日本でも、トコブシは台湾産の養殖物が輸入されているようです。
栄養価をみると、とこぶしには鉄分やリン、亜鉛、銅などの豊富なミネラル成分が含まれ、アワビには、グルタミン酸などのうまみ成分を含む、アミノ酸やロイシンやリジンなどの必須アミノ酸が豊富に含まれています。
どちらも高たんぱく低カロリーで、美容にいい食材と言えます。
今回はしょうゆ味で煮つけましたが、次回は蒸しアワビにトライしようと思います」(^o^)V
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
板垣多惠子