原初的没頭 ~尽くす愛は報われない?!~

他人を深く愛し尽くすこと。それは時に「美徳」のように語られます。

でも、その愛が報われず、相手からの愛情がほとんど返ってこないとしたら…
そして、それでもなお、その人に執着し続けるとしたら…。

ちょっとテレビのメロドラマにありそうなストーリーですね。

でも現実の世界でそんな報われない愛に生きている人のケースは沢山あります。

きっとあなたの周りにも、またはあなた自身がそんな渦中にあるかもしれません。

それは相手に対する「愛」ではなく、心理学的には「原初的没頭」や「共依存」という状態かもしれません。

 

たとえば、A子さん(30代・会社員)の話。

彼女は、何かと理由をつけて会う約束をドタキャンする彼に、ずっと尽くしていました。

誕生日には高価なプレゼントを用意し、彼が落ち込んでいると聞けば、夜中でも車を飛ばして会いに行く。

連絡が来れば即返信。来なければ一日中スマホを見つめて過ごす。
「いつか彼が私の愛に気づいてくれるはず」「支えてあげられるのは私しかいない」――そんな思いに突き動かされ、A子さんは関係を続けていました。

でも、彼から返ってくるのは当たり前のような態度と、たまの優しい言葉だけ。
周囲の友人は口を揃えて「やめたほうがいい」と言いますが、A子さんは「彼のことを何も知らないくせに」と聞く耳を持ちませんでした。

 

共依存

「原初的没頭」は自分を顧みてくれない相手に一方的に尽くし続ける。

実は

このような「報われない恋」に陥る背景には、深い心の傷が隠れていることがあります。
それが、幼少期の「自己愛の欠如」です。

精神分析家のウィニコットは、「原初的没頭」という概念を提唱しました。

それは、母親が妊娠末期から出産直後にかけて、新生児に対して全身全霊で向き合う特殊な心理状態です。

母親は自分の主体性を一時的に手放し、赤ちゃんの欲求に完全に同調しようとします。これは赤ちゃんが安心してこの世界に適応していくための、大切で必要な一時的状態です。

しかし、本来は限定的であるべきこの「原初的没頭」の心のあり方が、大人になっても恋愛の中で再現されてしまうことがあります。
A子さんのように、自分を顧みてくれない相手に一方的に尽くし続けるのは、まさにこの状態に近いものなのです。

そして、それは多くの場合、子ども時代に「親に甘えることができなかった」「自分の欲求を否定された」経験が関係しています。

こうした子どもは、「我慢していれば存在を認めてもらえる」という信念を持ち、自分を抑えることでしか自己肯定感を得られなくなっていきます。

そのため、大人になってからも「我慢=存在価値」と無意識に感じ、愛されない相手に尽くし、振り向かれないことで逆に自分の存在を確認しようとするのです。

しかも、そんな人が選ぶ相手は往々にして「自己愛の未熟な人」。
自分のことばかりで、相手に感謝したり応えようとしたりする気持ちが乏しいタイプです。

けれど、このような関係性から抜け出す道は、確かに存在します。

それは「話すこと」。
誰にも言えなかったことを、安心できる誰かに聴いてもらうことです。
時間をかけて、じっくりと自分の気持ちを話し、受け止めてもらうことで、「我慢しなくても、私はここにいていいんだ」という感覚が、少しずつ芽生えていきます。

その過程で初めて、「尽くすことでしか得られなかった存在価値」から自由になり、もっと対等で、安心できる愛を築く力が育っていきます。

このような体験は、誰にでも起こりうることです。
自分を責める必要はありません。けれどもし、似たような関係で苦しんでいるなら、まずは誰かに「話してみる」ことから始めてみてください。
それが、あなた自身の回復の第一歩になるかもしれません。

 

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・・・気まぐれエッセー・・・

 

私の周りには素晴らしスーパーシニアがいらっしゃいます。

人生の大先輩であるご夫妻は、旦那さんは今年92歳の誕生日を迎え、奥さん90歳ですが、二人ともとても若々しく、健脚で素晴らしい第二の人生を送っていらっしゃいます。ヽ(=´▽`=)ノ

 

このご夫妻の健康の秘訣は毎日雨の日も風の日も1時間以上歩くことだそうです。

私はパワーウォーキングをしていますが、雨や雪の日、つい、お休みをしてしまいます。
傘をさしてパワーウォーキングはできないからです。

 

パワーウォーキング

人生の大先輩であるご夫妻は、旦那さんは今年92歳、奥さん90歳ですが二人ともとても若々しいです。若さの秘訣は「毎日歩くこと」と断言されてます。

 

でもよく考えてみれば、パワーウォーキングでなくてもいいから、雨の日は傘をさして、少し時間を長めに歩けばいいのだと思いました。

基本的にズボラな私は、朝から雨が降り続くと「アー、今日はパワーウォーキングをお休みできる」とどこかホッとしています。(^^ゞ

Vancouverは秋から春にかけて長い雨期ですが、1日中降っていることは比較的少なくて、途中、雨間があるのでその時を狙ってウォーキングに出るのですが、時々予想外に雨に降られてしまいます。

でも、ゴルフ用のウィンドブレーカーがよくできていて、濡れ鼠になることはないのですが、、、、。(^_^)V

大雨の時に無理してウォーキングする必要はありませんが、少しくらいの雨なら傘をさして歩くのも、気持ちのいい時間となるかも、、、、。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

板垣多惠子